当組合は1982年4月に設立した団体です。当組合員構成比は地域の大工47名 電気・設備等10名、他建築関連21名の78社。地域の工務店等で公共工事の民間工事の受注を促進するために設立されました。地域工務店は高い技術と地域に根差し、地域、消費者から支持をされてきております。
昭和37年に藤枝市大工組合として発足したのが始まりです。昭和56年に、現藤枝建築事業協同組合と名称を変更しました。大工としての資格試験や必要な免許の取得には、他市町の組合組織に属して取得する必要があったのです。ここ藤枝には職人が多くおり、地域の職人のレベルアップや資格や免許の取得、新しい技術の講習などを地元で行えるようにと組合が組織化されたそうです。
藤枝市内には各町内会に8~10軒の大工職人が居て、組合の発足当時は350人以上の組合員がいたようです。
現在では、ハウスメーカーの台頭により直接の仕事が減り、メーカーの下請けにまわるなど、地域の大工職人としては影を潜めつつあるのが現状です。また、「きつい・汚い・危険」のいわゆる「3K」の仕事と言われ、後継者不足となり、現在では大工としての組合員は、35人ほどとなってしまいました。
そんな組合ではありますが、見えない「縁の下の力持ち」的な活動を市内で行っています。
その一つが静岡県の認定を受けている「藤枝建築高等職業訓練校」です。ここでは学科と実技を3年間毎週水曜日に行っています。熱心な講師と経験豊かな組合員からなる指導員によって次世代の育成を行っているのです。訓練校では国家技能検定2級技能士取得試験の受験資格が取得できます。訓練校で培った技術を活かして造られたベンチなど、生徒の作品が藤枝市内の公共施設等でも見ることができます。
そして、安全な住まい造りを進めるための防災対策として、藤枝市の地域防災課より委託を受けて、「家具転倒防止器具取付サービス」を毎年行っています。
また令和2年7月31日に「災害時における補修・応急修理工事等の協力に関する協定」を(一社)志太建築士会や、藤枝建設業共同組合と共に藤枝建築事業協同組合が藤枝市と協定の締結をしました。これは自然災害などにより、家屋に損害が生じたり危険がある場合に、災害対策工事及び補修・応急修理工事などの協力をするというものです。
その他にも静岡ものづくりフェスタ出店や、今年はコロナ禍で開催できなかった、組合事務所で行う、親子木工教室など地域に根差した活動を行っています。
そんな組合員ってどんな人たち何だろうと思いませんか?令和2年の5月から組合の事務職員に就いた方に尋ねてみました。
「皆さん職人さんだけあって、個性が強い方が多いです。口調が強い方もいて最初はちょっとびっくりしましたが、いろいろとお話してみると心優しい方たちでした。何よりも木材に関しては、とても詳しいです。木をみて種類がわかったり、家を建てる時にはどこにどのように使えば良いかを知っています。伝統的な技法や手法なども熟知しているようでとっても頼りになります。
「コロナ禍でメーカーの営業マンよりも近くの工務店や大工さんの方が、安心なんです。」というお声も聞きました。メンテナンスやアフターフォローだけでなく、悪徳業者による不良工事を防いだり、補修してくれたりと、地元の小回りの利く職人さんが地域を守ってくれているんだと感じます。」
理事長の秋山さんに将来のことを聞いてみました。
「職人の高齢化や担い手不足で、組合員も少なくなっていることが現状です。建築は依頼主と協力して造る家が、作品として永く残る創造的でクリエイティブな仕事です。子どもたちにも、組合員のような職人が身近にいることを伝えていき、将来大工や建築に携わる人が増えてくれると嬉しいです。また、組合のことを知らない方がたくさんいます。これからは、ホームページやフェイスブックなどのSNSなどを用いて、組合活動を報告をしていく予定です。市民の皆さんにとって、今までより身近な組合になっていけたらと思います。」
みなさんお宅の近くにも、技術をもった職 人さんが居るかもしれません。
これを機会に家の困りごとなどを相談し てみてはいかがでしょうか?